エンパイア・オブ・ライトはオトナ向け良作!アカデミー賞は獲る?まとめて解説!

ドラマ

今回は、オリヴィア・コールマン主演「エンパイア・オブ・ライト」を紹介していきます。

サム・メンデス監督最新作のヒューマンドラマは、とても美しい作品でした。

今回は映画のあらすじやみどころ、アカデミー賞の獲得についてなどを解説していきます!

それではいきましょー。

※ネタバレを含みます。ご注意ください。

あらすじ

1980年イギリス。南海岸のリゾート地にある映画館「エンパイア劇場」で働くヒラリーは、かつて体験した辛い過去から、心に闇を抱えながら生きていた。

そんな時、映画館に黒人の青年、スティーブンが働きだす。大学進学という夢を絶たれ、映画館に来たスティーブンとヒラリーは辛い過去という共通点や、周囲のサポートもあり、徐々に心を通わせていく。

しかし、少しずつヒラリーの心に、かねてからの闇が顔を出し始める。。。

さらに、スティーブンにも、当時の黒人への当たりの強さを体感する出来事が降りかかってくる。

2人に平穏な日常は訪れるのか。「映画」を軸にした感動のヒューマンドラマ。。。

落ち着いた大人の雰囲気の人間ドラマ

本作は、街の映画館で働く人物を主として展開していきます。

突然現れた青年、スティーブンとのヒラリーの関係や他の映画館スタッフとの関わりがメイン。

辛い出来事を経験してきたヒラリーとスティーブンの深めていく過程、周囲で起こる出来事、当時のイギリスの社会情勢から見た黒人への風当りなどが、丁寧に描かれています。

派手な演出はほとんどありませんが、濃密でゆったりしたストーリーを楽しめます。

最近大作ばかり観ていた自分にとってはこのくらい落ち着いた映画が観られるのはすごくありがたいです。

オトナな映画好きな方にはおススメの映画です。

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

80年代を美しくリアルに描く

本作は1980年から1981年頃のイギリスが舞台です。

当時のイギリスはサッチャー政権下で保守的な思想が復権。黒人に対する反発心がたかっている時代でもありました。

そんな世相は本作にも表れています。

ヒラリーと仲を深めるスティーブンは街中を歩くだけで白人から絡まれたり、しまいには暴徒と化した白人たちによる襲撃を受けてしまいます。

こうした時代背景に加えて、歳の差やそれぞれの過去など、様々な要素が絡み合い、複雑な感情を抱く主人公、ヒラリー。

最終的には、2人がそれぞれ前に向かって進んでいくんですが、そこまでの過程がノスタルジーというか、とても美しく描かれています。

また、2人の勤める映画館にはすでに稼働していない最上階のフロアがあります。

廃墟と化した一室で2人は仲を深めていきます。

この部屋から見る外の景色や、部屋そのものの美麗さは本作最大の見どころだと思います。

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

オリヴィア・コールマンの圧倒的な演技

本作の主演はアカデミー賞女優でもある、オリヴィア・コールマン。

何といっても彼女の演技力が本作を支えている一番のポイント。

心に闇を抱え、それが爆発した際の表情、ラストのスティーブンを送り出す際の顔、強さと弱さが入り混じった絶妙な笑顔はまさしく圧巻の演技です。

間違いなく世界でも指折りの俳優の一人でしょう。

ヒラリーと恋に落ちるスティーブンを演じるのは、ジャマイカ出身の25歳、マイケル・ウォードです。キャリアは深くないものの、彼の演技も絶妙でした。

若いながらも芯があり、未来へ向かって進んでいく若者を見事に演じています。

そのほかにも、コリン・ファースがいけ好かない劇場支配人を演じていますし、名脇役、トビー・ジョーンズは映画技師としてスティーブンを見守るポジションを担っています。

こう見るとキャストが豪華ですよね。

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映画好きならぜひ観てほしい作品!

作品の舞台が映画館ということもあり、当時人気を博した映画が作中に登場してきます。

エンパイア劇場でプレミア上映を行ことになったのが「炎のランナー」。あのBGMもちらっと聞こえてきます。

ラストにはこれまで劇場に居ながらも、真面目一徹で仕事中に映画を観たことが無かったヒラリーが、技師であるノーマンに「映画を見せてくれ」と頼みます。

そこで上映されたのが映画「チャンス」。池の上を歩いていく象徴的なシーン。映画のすばらしさに感動し、涙を流すヒラリーの姿が印象的でした。

映画バンザイ!的な映画は多いですが、しっとりとした心地よさの残るラストとなりました。

同時期公開の「バビロン」でも映画最高!となる私も大好きなシーンがありますね。しかし、こちらはこちらで落ち着いた雰囲気がとてもよかったです。

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

アカデミー賞は獲る?

そして、3月には今年度のアカデミー賞の発表が控えています。

もちろん本作の賞レースでの立ち位置が気になるところ。

しかし、作品賞には残念ながらノミネートされていません。

意外にも本作は「撮影賞」にのみノミネートされています。

80年代特有の美しさを見事に表現した本作。他の作品も強豪ぞろいですがもしかすると獲得できるかもしれませんね。

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

おわりに

今回は映画「エンパイア・オブ・ライト」を紹介しました。

ちょっと大人向けな雰囲気のある本作。しかし、時代を映し出しつつも、そこに生きる人々の様子をありありと描いた良作だと思います。

それでいて映画好きにはたまらない演出もあり、派手さには欠けるものの、観終わった後には、すっきりとした爽快感がのこりました。

オリヴィア・コールマンの演技だけでもお釣りが来るレベルでもあるので、彼女の演技目当てに観に行くのもありでしょう。

ということで、ぜひ劇場で観てみてほしい一作となりました!それでは!

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