「パワー・オブ・ザ・ドッグ」あらすじ感想　アカデミー賞作品賞大本命？※ネタバレあり　

2022アカデミー賞ノミネート作品が発表されました。今回は、作品賞大本命と言われているNETFLIX映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」を紹介します。

※作品のネタバレを含んでいます。まだ観ていない方はご注意ください。

あらすじ

1920年代アメリカ。牧場経営で成功を収めていた２人の兄弟がいた。兄のフィルと弟のジョージ。兄のフィルはやや高圧的で荒っぽい性格の一方弟ジョージは穏やかで心優しい性格であった。ある時ジョージは町に出かけた際に出会った女性ローズと恋に落ち、そのまま結婚することに。金目当てだと反対するフィルを後目に、ローズは兄弟の暮らしている家で一緒に生活をし始める。気に入らないフィルはローズとジョージに対し嫌がらせをするようになる。ローズはそのストレスを感じ酒におぼれていくように。そして嫌がらせはローズの連れ子のピーターにまで及んでいく。

険悪な関係の中、彼らの間である事件が起こる。事件をきっかけにフィルの気持ちに少しずつ変化が生じていく。変化していく関係、そしてフィルには隠していたある秘密があったのだった。

後味の悪さ

本作で最も印象に残ったのは、ラストシーンのローズの息子ピーターがフィルの作った縄をそっとしまい、絶妙な表情を浮かべるところ。物語終盤、フィルは突如体調不良になり、そのまま死んでしまいます。後にこれは病気の牛に触れたことによる炭疽病によるものだと判明するのですが、その原因となったのがピーター。簡単に言うと、

ピーターのために縄を作っていたフィル

↓

完成間近というところで、作業に必要な牛皮をすべてローズが売ってしまう

↓

途方に暮れるフィルに、ピーターが皮を持っていると言いフィルに渡す

↓

実はその皮は病気の牛のものであり、それを使って作業をしたフィルは炭疽病に。。。

という流れ。

そしてそれはピーターの策であり、フィルがいなくなり、幸せに過ごすことができる母を見て満足気な表情を浮かべ物語は幕を閉じます。仲良くなったかに見えたフィルとピーターだったのに最後で全部持っていかれましたね。まあただの友情物語ではこんなに反響も出なかったんだろうけど。

当時における男像

フィルは作中では荒っぽいけど牧場で働く人達をまとめるリーダー的な存在として描かれています。これは当時1920年代における典型的な男像を表しているのだと思います。ナヨっとしたピーターに「お嬢ちゃん」とからかう様子もあり、フィルは自身の男像を非常に重視している様子がうかがえます。これは作中明かされるのですが、フィルが実はゲイであり、当時それが知られてしまえば、生きていくことすら困難になる時代背景から、努めて男的にふるまうことにしていたのだとわかります。そしてそれをピーターにも感じ取っていたのか、、、

今年度アカデミー賞大本命

今までNETFLIXの映画はノミネートはされたことはあっても受賞には至っていませんでした。今回のアカデミー賞でも作品賞など複数の賞にノミネートされた本作。タイトル獲得なるかが見ものですね。そして中でも主演のベネディクト・カンバーバッチの演技にはホントにすさまじいものを感じました。あの緊張感と何を考えているのかつかめない雰囲気、少しずつ心が動いていく様を絶妙に演じていました。主演男優賞にもノミネートされているのでそちらも楽しみです。

アカデミー賞の受賞発表は3/27予定です！

今回は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」を紹介しました。なかなか衝撃的なラストを迎える大作をぜひご覧ください！ベネディクト・カンバーバッチは俳優の中でも頭一つ抜けたイメージですね。ホントにスゴイ。。。

映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」はNETFLIXでご覧いただけます。

それではー。

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