映画「スペンサー ダイアナの決意」が公開されています。
ダイアナ元皇太子妃の苦悩と文字通り決意を描く本作。
今回は映画のあらすじや結末、キャストなどをまとめて解説していきます!
それではいきましょー。
※ネタバレを含みます。ご注意ください。
あらすじ
クリスマス前。イギリス王室の面々はクリスマス前後の3日間を別邸、サンドリンガム・ハウスで過ごす。
皇太子妃であるダイアナもこの3日間は、王室で過ごさなければならない。
夫の不倫、マスコミの自分への執着に辟易するダイアナは自身を奮い立たせ邸宅へと向かう。
王室内では常に監視され、気を休めることができないダイアナ。唯一の救いは2人の息子たち。彼らと過ごす時間だけが、彼女のやすらぎの時間だった。
しかしそんな時間もつかの間、王室の伝統や職務、プレッシャーが彼女に重くのしかかる。
常に世間の注目を浴び、期待に応えなければならない。そして王室という逃れることができない職務。
彼女の精神は限界に達しようとしていた。そこで彼女はある決断を下すことになるのだった。。。
ダイアナ元皇太子妃の苦悩を描く
本作はあくまでも寓話であると冒頭に流れます。
ダイアナが苦悩していたのは間違いないでしょうが、実際に王室内で何があったのか、どんな会話がなされたのかは謎。
そこを想像から物語にしたのが本作だと思います。
世間に望まれている姿を演じ、家庭内でも夫の浮気、王室のプレッシャーと片時も気が休まることのない彼女の姿を丁寧に表現しています。
アン・ブーリンとのリンク
物語を通して追い詰められていくダイアナ。その中で登場するのがアン・ブーリン。
かつて、ヘンリ8世の妻だった彼女は、別の女性に目移りしたヘンリ8世から処刑されてしまいます。
夫であるチャールズから浮気され、アンと自身を重ねるダイアナ。自分自身が跡継ぎを産み、用済みになり捨てられるということを恐れています。
精神的に追い詰められたダイアナは旧家であり今は廃墟と化したスペンサー邸を訪れます。
自身の過去を思い出し、階段から落ちてしまえば楽になると考えるダイアナ。
一歩踏み出す直前に彼女を引き留めたのはアンその人でした。このあたりからも実話出ないことは分かりますね。
あくまでの頭の中での存在だったアンが彼女を引き留める、というのは、彼女の深層心理の中での生きたいという気持ちの表れかもしれません。
絶望の中の希望
度重なる苦痛に追い詰められていくダイアナ。
彼女にとっての救いは2人の息子と、腹を割って話せる衣装係のマギーでした。
マギーは彼女が立場を気にせず話すことができる大切な存在。しかしこの関係がバレてしまい、彼女は別の場所で働くことになり、会うことができなくなってしまいます。
物語終盤、戻ってきたマギーに衝撃の告白をされるダイアナ。ダイアナのことを愛していたというマギー。まさかの告白に戸惑いを隠せないダイアナでしたが、その衝撃で辛い日常を一時ですが忘れることができました。
ある意味ここから吹っ切れた彼女はチャールズとの離婚を決意したと言っていいでしょう。
最後には「あなたは全員から愛されている」という手紙を残したマギー。
最後まで彼女のことを想い続けていました。
そして2人の息子たち、ウィリアムとヘンリー。皇太子妃であるよりも2人の母親であることを大切に思うダイアナ。何よりも2人といる時間が安らぎの時間でした。
最後には2人を屋敷から連れ出し、車でロンドンまで勝手に帰ります。全てが吹っ切れたダイアナが2人の母親だけに専念して生きていくことを決めた瞬間でした。3人でファストフードを食べ、幸せそうな表情を浮かべるのはまさに「普通」の親子の姿です。
何よりもダイアナが欲しかったものを手に入れたラストでした。
ラストは
何の救いもないように思われた王室内。息子たちとマギーの助けにより、希望を取り戻したダイアナ。
夫と別れることを決意し、邸宅を息子たちと後にします。
タイトルの「決意」はダイアナが夫との離婚を決意したことでしょう。
その表情はとても晴れやかなものでした。
実際にダイアナとチャールズは翌年に別居をはじめ、5年後の1996年に離婚が成立しています。
チャールズはダイアナの交通事故による死後、この時不倫していたカミラと結婚しています。
彼女のその後の人生に何が起こるか知っている我々としては何とも複雑な気持ちでラストを迎えますね。
もちろんこの時幸せであるのならそれ以上のことはないんですが。
この映画の舞台となるのが1991年の冬で、彼女が交通事故で亡くなるのが1997年。その間6年と短いんですよね。
おわりに
今回は映画「スペンサー ダイアナの決意」を紹介しました。
実際の歴史や人物をベースに脚色を加えた物語がとても上質な良作だと思います。
ダイアナを演じたクリステン・スチュワートの繊細な演技も非常にクオリティが高く、それだけでも観る価値アリです。
また、衣装やロケーションなど、イギリス特有のハイクラスな雰囲気を絶妙に表現できており、どの分野から見てもとてもいい作品です。
ぜひ劇場で観てみてください!それでは!
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