今回は日本のホラー映画「残穢―住んではいけない部屋―」を紹介したいと思います。元々ホラー映画は好きだったんですがその中でも日本のホラーであること、個人的にはいい感じに嫌な感じのする映画(意味不明?)だったのでとても印象に残っている映画です。それではいきましょー。
※ネタバレを含みます。ご注意ください。
あらすじ
ホラーを扱う小説家である「私」の元に一通の手紙が届く。久保と名乗る女子大生は一人暮らしを始めたが、その部屋でおかしな現象が起こるのだという。それは誰もいない部屋から何かを引きずるような音がするというものだった。気になった久保さんはその部屋に何かいわくのようなものがあるのか調べ始める。するとどうやらおかしな現象は自分の部屋だけに起きているわけではないことを知る。久保さんと「私」はその土地に何かあるのではと考え、かつてそこに住んでいた人などの歴史を調査し始める。少しずつ明らかになっていく土地の歴史。そしてその歴史はある事件につながっていく。。。
久保さんの部屋
主人公に手紙を書いた大学生の久保さん。物語は彼女が彼女の住んでいた部屋、そして土地の歴史を調べ始めるところから展開していきます。物音がするという手紙に既視感のある「私」。それは同じような内容の手紙を同じマンションの別部屋の住人から過去に受け取っていたためでした。何かを引きずるような音。それを見て「ブランコ」と言う子供。子供を使って表現するあたり嫌ですよね^^;。
彼女の部屋の前の住居人は梶川という青年。しかし彼は転居後まもなく自殺をしたとのこと。気になって転居後のアパートの大家を尋ねると不思議なことが…。このあたりはゆっくりと展開していきます。まずは部屋、マンションに関する歴史を紐解いていくきっかけとなるパートです。
マンションの過去
「私」と久保さんはマンションの立つ前に何かがあったのではと思い、土地の過去について調べることに。するとマンションの前に「小井戸家」という家があったことを知る。いわゆるゴミ屋敷だった小井戸家では、家主が孤独死するという事件があった。ただこの件はあまり部屋での音は関係なさそう。さらに過去を調べていくと、かつて「高野家」という家があったとのこと。この家では娘の結婚式から帰ってきた母が首つり自殺をしていた。ここで今の出来事とのリンクが。
首つりした母の着物の帯が地面にこすれる音。どうやらこれが音の正体らしいことが分かります。しかしその母はおかしな発言が目立つ人物だったとか。赤ん坊の泣き声が夜通し聞こえる、赤ん坊が家の床から湧いて出るという発言があったらしい。。。
おかしな音の正体が少しずつ明らかになっていくにつれ、謎が謎を呼び、さらに調べを進めていくという展開。観ている我々を没入させるよううまくできていますね。
他の話とのつながり
この話を出版社に話す「私」。するとほかの話にリンクしているのでは、という話に。赤ん坊が床から湧いて出る、という話に既視感があるという。別々怪談の根本を手繰っていくと同じ話にたどり着く。こういう話はヤバイ話だという。どうやら千葉の廃屋に似たような話があるらしい。その話を調べるとその家の住人がかつて自分の子供を床下に埋めただけでなく、その前の家でも毎年のように子供産んでは床下に埋めていたという衝撃の事件が明らかに。
しかもその前の家というのが久保さんのマンションのあった土地というからさらに驚き。この事件を知りどうやら高野家以前からヤバイ話があり、高野家でも同じようにおかしな出来事に悩まされていた結果の母の自殺なのではと推察する「私」。
災いが連鎖していることを調べていくとドンピシャで当たっていく展開。まるで自分もその中に入っているかのように謎が一つずつ解けていくので面白いです。
高野家以前には吉兼家という家があったことを知る。。。
さらに話はさかのぼる
吉兼家では明治時代、住人が気を違えて自宅に軟禁する私宅監置があったそう。その住人は床下から声がすると言いトイレの下から床下へ潜り徘徊したことがあることが分かった。吉兼家の墓から寺の住職を尋ねると三喜(みよし)という人間が嫁いで来て以来、家の歴史は分からないという。三喜が嫁いできた時に夫人図を一緒に持ってきたとのことで他は分からずじまい。
三喜は九州の出身。九州のその道に詳しいマニアから話を聞いてみることになる。すると三喜の実家の奥山家では炭鉱を所持しており、事故で100名以上がなくなることがあった。炭鉱火災は当時の技術では手を付けるのが難しく、鎮火のためには、中にいる人を閉じ込めて炎ごと生き埋めにするしかなかった。。。
そして現在へ
話をさかのぼっていくと、引っ越していたはずの久保さんの家にもまた帯を引きずる音がし始めた。いい加減に手を引かないといけないとと危機感を覚えた久保さんと「私」はさすがにこれ以上過去を追いかけるのをやめ、すべてを忘れることにした。それぞれの新しい生活が始まり、平穏な暮らしが戻ってきた。最初のマンションでは今もまだ子供達が天井を見上げていたが。。。
そして「私」のもとへ一本の不審な電話が鳴り響く。
話しても祟られる、聞いても祟られる。穢れはいつまでも残り続けるのだった。。。
ということで今回は「残穢―住んではいけない部屋―」を紹介しました。マンションの一室から始まった怪奇現象を追いかけ、様々なところへ場面が展開していき、観ている人間を引き込む非常に高いクオリティの作品だと思います。原作が小説なので気になった方はそちらもぜひ読んでみてください!
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