今回はあの大ヒットホラーシリーズ「オーメン」の最新作「オーメン:ザ・ファースト」を紹介します。
個人的にも大好きなシリーズ。リメイク版は1作で終わってしまったのが残念なくらいです。しかしこの度新たにその前段となる作品が公開されたということで、黙ってられずすぐに観てしまいました。。。
今回はネタバレ含めたレビューと、過去作との関係などを紹介していきたいと思います。
それではいきましょー。※ネタバレを含みます。ご注意ください。
あらすじ
1971年。イタリア、ローマを訪れたマーガレット。彼女はこの地で修道女となる儀式を待つ最終段階を迎えていた。
ローマの孤児院で出会った少女、カルリータは、心に闇を抱える不思議な少女だった。少女を気にかけつつも、着々と修道女になる準備を進めるマーガレット。
孤児院で出会った歳の近いルスと共にクラブに遊びに行くことはあっても基本はいたって真面目に神を信じ崇めてきた。
ある日、街でブレナンと名乗る神父から、カルリータに気を付けるよう忠告を受ける。はじめは気にも留めていなかった彼女だった。しかしカルリータの周りで少しずつおかしな現象が起こり始める。神父の言葉を思い出したマーガレットは不審に思い、彼の元を訪れる。彼はカルリータは反キリストを掲げる悪魔崇拝者が崇める悪魔の子であるという。彼の言葉に動揺するも、信じることができないマーガレット。しかし彼女とカルリータの前にある大きな事件が起こることをきっかけに、カルリータが悪魔の子なのではと疑い始めるマーガレット。
果たして彼女はカルリータを悪魔の手から救うことができるのか。そして最後に起こる驚愕の事実とは。。。
ホラー超大作シリーズ最新作
今作はあの「オーメン」シリーズの前日譚となる作品です。オーメンと言えば初代の3部作。そして2006年に公開した「オーメン666」というリメイク版も記憶に新しいです。個人的には666もかなり好きな作品です。
作品的には初代のオーメンの第1作につながる作品です。なのでそちらを事前に観ておくとかなり理解は進みます。
近い時期のホラー大作「エクソシスト」と併せて2大ホラー的イメージのある超大きなシリーズを扱うということもあって、映像、音楽とかなり気合が入っている印象でした。特に音楽は初代がアカデミー賞作曲賞を受賞しているということもあって迫力満点。緊張感のあるシーンでの演出はかなりこちらの精神を削ってくる絶妙な演出でした。
過去作とのつながり
基本的には1976年に公開された第1作に続く前日譚のストーリーとなっています。もちろんそのリメイクの「オーメン666」にもつながっていますのでこちらしか観たことない人もわかる内容かと思います。
まず最初に登場するブレナン神父。ダミアンの存在をいち早く察知し、悪魔を止めるため奔走した彼ですが、実は物語の最初を知る人物でした。彼は悪魔崇拝の根源を知っており、悪魔の子の誕生を止めるため画策していたのでした。個人的には「666」のブレナン神父を演じたピート・ポスルスウェイトが印象に残っています。彼の最後と今作のオープニングの棒のシーンは重なるものがありますね。当然狙ってのことでしょう。
「すべてあなたのためにすること」この言葉で知っている人間は「あっ(察し)」となってしまうシーンもありましたね。悪魔に全てを捧げている女がキリスト教ではタブーとなっている自殺を笑顔でする狂気に満ちたシーンは今作でも山場のシーンの一つ。今作では女性は自らに火をつけたうえで首つりをするという恐ろしさ追加されています。孤児院にいる子供達の前で行うあたりが非常に恐ろしいシーンとなっています。
悪魔崇拝
本シリーズでは悪魔をこの世に爆誕させようとする反キリスト教の人間たちの活躍(?)が目立ちます。周到に用意された彼らの罠にマーガレットたちはまんまと引っかかってしまいます。ネタバレですが、マーガレットが闇を感じていたカルリータは悪魔を産むための儀式の犠牲となった女性、スキアーナの娘だったのです。彼女の娘であるカルリータは悪魔の子だと思い、彼女を助けようと画策します。
しかし実は崇拝者たちが本当に狙っていたのは、他でもないマーガレットだったのです。
このあたりの666のあざのミスリードはなんとなくオーメンっぽいというか、シリーズならではの謎解き要素的一面があってよかったですね。正直出だしでマーガレットの方が悪魔の子じゃね?ってにおわせる場面はありましたけど。
悪魔の儀式
悪魔の儀式については、正直あまりガッツリとは説明できないのですが。。。簡単に言うと、異形の姿をした悪魔と、素質ある若い女性を交わらせ、新たに悪魔の力を宿した男児を孕ませることが目的。一晩のクラブでの遊びすら実は彼らに仕組まれていたのです。マーガレットは知り合った男といい感じになって遊んだはずだったのが、実は、悪魔の儀式を行われていたということが発覚します。
この儀式のシーンも結構緊迫感があってよかったですね。特にマーガレットの顔に黒い布が被せられる所。彼女の顔が見えなくなりつつも薄い布が彼女の顔にまとわりつく感じと呼吸が感じ取れて何とも嫌な雰囲気を醸し出していました。
この事実を知ったマーガレットの絶望感はよかった(?)ですね。
モザイクのシーン
本作はR12となっていますが、最大の要因はあるシーンにかけられたモザイクだと思われます。主人公のマーガレットがある女性の出産の場に立ち会います。本来新たな命の誕生を喜ぶべきはず。しかし彼女の妄想なのか、リアルなのかはわかりませんが、女性からは悪魔らしき姿が生まれる、というシーンがあります。ここでは出産シーンも映像に収められているのですが、さすがに丸々写すわけにもいかず。。。モザイクがかけられながらの出産シーン。それでも生々しい様子が分かり、果たしてR12で大丈夫なのかと心配になるシーンでした。
このシーンは実際のR指定を決めるレイティングでもかなり揉めたようで、性的かつ暴力的なシーンとしてある程度の編集を加えること、本シーンの時間を短くすることなどで妥協されたようです。
結末は
本作はあの「オーメン」シリーズの前日譚ということもあり、結末が予想できます。悪魔の子ダミアンの誕生の秘密を描いた本作と言うことで、マーガレットが彼を産み落とすまでの奮闘を描くものの、最後には悪魔崇拝者たちの手に堕ち、出産させられてしまいます。同時に生まれた双子の片割れとなる女児と、カルリータとマーガレットは3人で細々と生きていくことを決意し、物語は幕を閉じます。
最後にはブレナン神父が彼女たちの元を訪れ、今後の行く末について話していました。
ブレナン神父はこの後も登場するキャラクターなので、彼の活躍には期待したいのですが。。。結末を知っている身としては何とももどかしいですよね。
次回作以降を知っていると何とも言えない気持ちになりつつ、これまで明かされてこなかった過去の出来事を掘り下げてくれた本作は非常に満足度の高い作品になったと思っています。
おわりに
今回は大ヒットホラーシリーズの最新作「オーメン:ザ・ファースト」を紹介しました。
中々次回作というのは難しいかもしれません。しかしヒット作によくある前日譚というパターンの中ではかなり良作に入ると思います。おなじみのキャラクターの使い方やこれまでの作品へのリスペクトが感じられる作品だと思います。
シリーズを観たことある方は勿論おススメです。そしてまだ観たことない方もこの作品をきっかけにシリーズを観てみてください!それでは!
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