3月中旬に発表される2023年アカデミー賞。
映画界で最も栄誉ある賞と言われるこの賞。毎年様々な良作が登場し、鎬を削っています。
今回はそんな本年の第95回アカデミー賞にノミネートされた作品、主演男優、主演女優、監督を一挙紹介していきます!
他の賞は次回以降紹介していきます!
果たしてどの作品が受賞するのか!それではいきましょー。
作品賞
西部戦線異状なし
Netflix作品。ドイツ製作で、外国語映画賞にもノミネートされています。
舞台は第一次大戦中。戦地で生きる兵士に降りかかる現実をありありと描きます。
しかし中々作品賞を獲得できないジンクスがあるNetflix作品。初の受賞となるでしょうか。
エルヴィス
伝説のロック歌手、エルヴィス・プレスリーとそのマネージャーの人生を描く作品。
史上最も売れたソロアーティストの生き様を若手俳優、オースティン・バトラーが好演しました。彼は主演男優賞にもノミネートされており、そちらは本命とさえ言われています。
イニシェリン島の精霊
長年来の友人から突然絶縁を宣告され、口をきいてもらえなくなった男の物語。
終始陰気な雰囲気が漂う本作。他の映画に比べ、迫力という面では不利かもですが、物語の独特さ、キャスト陣の確かな演技力などは目を見張ります。
トップガン:マーヴェリック
今年の個人的目玉作品。あまりこの手の映画はアカデミーには受け入れられない風潮がありますが、この作品については別でしょう。
ヒット作の続編としてのお手本のような作品。全世界で大ヒットを記録。お祭り感で言うと本作が受賞してもいいと思います!
TAR
ケイト・ブランシェット主演。天才女性指揮者の物語。
順調かと思われた指揮者としてのキャリアが少しずつ狂っていく。新曲の重圧、さらに徒弟の死など降りかかる災難など、深まっていく闇を描きます。
中々重い内容ですが、ケイト・ブランシェットの演技は主演女優賞にもノミネートされるほど素晴らしいと絶賛されています。
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
前作は世界歴代興行収入1位の記録を持つ作品。
全開から物語は続く形で公開されました。何といっても前作を上回る圧倒的な映像美と世界観は観るものを惹きつけます。
大衆向けの映画であること、さらに続編が予定されていることから受賞は難しいかもしれません。
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
アジア系の女優、ミシェル・ヨーが主演。製作には「アベンジャーズ:エンドゲーム」のルッソ兄弟も携わっています。マルチバースを題材として、カンフーを駆使する今までにないアクション映画。最近はアジア系が強いので今回も受賞する確率は高そうです。
フェイブルマンズ
世界で最も有名と言っても過言ではない、スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的映画。
幼い頃に映画から得た感動を持ち続け、映画を撮ること続ける男と、その周りの人々とのかかわりを描く作品。時には衝突も起こりながら、映画と共に成長していく感動作。
自伝的映画ということでアカデミーがどう受け入れるかわからないところがありますね。監督自体は文句ナシですが。
逆転のトライアングル
「キングスマン」などで知られる若手俳優、ハリス・ディキンソン主演作。
セレブとして暮らしていたカップルが取り残された船の中で、ヒエラルキーの頂点に君臨する清掃員や、周囲の人間とのかかわりを描く作品です。
普段の社会ではありえない逆転した階層社会におけるブラックユーモア作品。
しかしブラックが過ぎて受賞は難しいでしょうか。。。
ウーマン・トーキング 私たちの選択
性的被害に遭った女性たちの決断の物語。
フランシス・マクドーマンドが製作、出演しています。
男たちに迫害され続けた女たちが、今後を話し合う中で、キリスト教そのものへの疑念なども生まれてきます。
終始ダークな雰囲気の物語ではありますが、数々の映画賞で話題となった作品です。
主演男優賞
オースティン・バトラー「エルヴィス」
若いながらも、エルヴィス・プレスリーになり切った演技が評価されました。歌は一部をオリジナル音源、一部を本人の歌唱というスタイルながら、「ボヘミアンラプソディ」のラミ・マレックに迫る高評価を得ています。もしかしたら本命かもしれません。
ブレンダン・フレイザー「ザ・ホエール」
「ハムナプトラ」シリーズの主人公を演じたブレンダン・フレイザーがノミネートされました。
セクハラ被害などで第一線からは遠ざかっていました。しかし今回「ザ・ホエール」にて久しぶりに復活。かつてとはイメージの異なる見た目、演技を見せてくれています。
個人的には彼に獲ってほしいかな。
ポール・メスカル「アフターサン」
舞台経験豊富な若手がヒューマンドラマ「アフターサン」の演技でノミネートされました。
しかも今作では父親役という若さから考えると中々難しい役どころでしたがとても高い評価を受けています。
ビル・ナイ「生きる LIVING」
ベテラン俳優が黒沢明監督作のリメイク版でノミネートされています。
パイレーツオブカリビアンのタコ船長とは思えないほどの落ち着いた大人の男を好演。
結構絶え間なく様々な作品に出ている印象です。
コリン・ファレル「イニシェリン島の精霊」
大作でもその存在感を発揮し続けるコリン・ファレルがノミネート。
今作では平凡な男を演じていますが、表情やセリフの言い回しなど、繊細な所でしっかりと演技力を披露してくれています。
主演女優賞
アナ・デ・アルマス「ブロンド」
「007」にも出演したアナ・デ・アルマスがノミネートされました。
若手ながらも、幅広い演技で注目されている彼女ですが、今作では伝説の女優、マリリン・モンローを演じます。
彼女の持つ苦悩や成功を見事に演じ切り、批評家からも高く評価されています。
ケイト・ブランシェット「TAR」
天才的指揮者を演じ、ノミネートされました。
助演女優賞受賞経験のある彼女ですが、主演での受賞なるかが見ものです。受賞しても何ら不思議ではないと思います。
ミシェル・ヨー「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
中国系の女優。最近では大作に度々出演していますね。
今作ではアクション要素の強い作品をこなし、元々高かった評価をさらに高いものにしました。
個人的には大本命かなと思います。
アンドレア・ライズボロー「To Leslie」
イングランド出身の女優。宝くじに当選した女性の転落人生を描く作品「To Leslie」に出演。今年はミシェル・ヨーやケイト・ブランシェットなど、強力な女優達が名を連ねています。しかしそうでなければ受賞は確実と言われるほどの演技を披露しています。
ミシェル・ウィリアムズ「フェイブルマンズ」
「フェイブルマンズ」では、主人公を見守る母親を好演。
これまでも主演、助演共にノミネート経験があるものの、受賞には至っていませんが、今年は獲得なるでしょうか。
ヒース・レジャーとの間には子供がおり、彼が亡くなる直前に破局していたとされています。
監督賞
ダニエルズ「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
2人で1人の監督。
ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの2人で構成されているコンビです。今作ではマルチバースを使ってカンフーをマスターするという中々にぶっ飛んだ映画を作り上げ、アカデミー賞本命と言われるまでの作品に仕上げました。
リューベン・オストルンド「逆転のトライアングル」
現代社会に対するブラックユーモアをふんだんに盛り込んだ映画でおなじみの監督。
そして今作でも彼の色は遺憾なく発揮されているようで、現代の階級社会への強烈な皮肉が評価されています。
トッド・フィールド「TAR」
これまでもアカデミー賞作品賞や脚色賞などにノミネートされた作品を監督した経験を持つベテラン。
今作では天才女性指揮者の闇を描いています。
実績、実力ともに申し分ないですね。しかし、他の監督がやや強すぎるかもしれません。
マーティン・マクドナー「イニシェリン島の精霊」
作品の陰鬱とした雰囲気を見事に表現しました。
短編映画賞の受賞経験を持っています。また、「スリー・ビルボード」では、作品賞こそ受賞しなかったものの、とても高い評価を得ています。今作では作品が作品なだけに受賞は難しい?かもしれません。
スティーブン・スピルバーグ「フェイブルマンズ」
まあ彼については説明は不要でしょう。
これまで2度の監督賞受賞経験を持ち、今回も本命と言っていいと思います。
ただし今作は、彼の自伝的映画ということで、そこがアカデミー会員たちにどう評価されるかが不安要素としてあります。しかしそれを差し置いても圧倒的な実績、実力です。。。
おわりに
今回は、2023年アカデミー賞の作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞のノミネートを紹介しました。
日本だとどうしても公開が間に合っていない作品もあって、受賞して初めて知った、なんてこともあるのでもったいないですよね。
個人的には一番注目しているのが、主演男優賞です。帰ってきたブレンダン・フレイザーに受賞してほしいという思いもありつつ、若手有望株、オースティン・バトラーも強力。誰が受賞するのか、楽しみですね。
また、他の賞は次回以降で紹介していきます。
それでは!